【種類別】そばの食べ方マナーとは?粋に楽しむ為に知っておきたいコツ

そば

日本人であれば、もはや切っても切れない関係といっても過言ではない由緒正しき歴史ある「日本蕎麦」

普段あまり食べなくとも、「年越し蕎麦だけは必ず食べる!」という方も意外と多いのではないでしょうか。
そんな、何の気なしに食べている蕎麦だからこそ、いざ高級蕎麦屋さんや年配の方との会食などを前にしたとき、自分の知らないだけで「気難しいマナーや格式の高い作法があるのではないか…。」と不安になる方も少なくないと思います。

でも大丈夫、ご安心ください。
実は、蕎麦の食べ方に公式なマナーは存在しないのです。
とはいえ、ただ適当に食べるのは非常にもったいなく、蕎麦にはより美味しく食べられる「粋」なる食べ方が存在します。
そこで今回、蕎麦をもっと大好きになる「粋」な食べ方を蕎麦の歴史を絡めてご紹介します!
どなたでも簡単に実践できるものなので是非、試してみてください♪

1章 そば料理の歴史と種類

1-1 『もりそば』&『ざるそば』の歴史と違い

蕎麦屋に行くと、「ざるそば」と「もりそば」というメニューがありますよね。
どちらも蒸篭に盛るのに、「もり」と「ざる」の二種類を区別しているお店があったり、違いはざるそばに海苔がのっているだけのような気もしますが、一体なにが違うのでしょうか?
歴史を絡めてそれぞれ見ていきましょう!

◆もりそばの歴史
もりそば
まず「もり」という名称が生まれたのは、江戸人の戸惑いが始まりだったとされています。当時そばといえば、細長く切ったものを茹でて、漬け汁に漬けて食べるという「そば切り」しかありませんでした。
ところが、しばらく後、汁を最初からかけた状態で提供する、今のかけそばと同じスタイルのぶっかけそばという形式が登場します。立ちながら食べられるし、店側としても器がひとつで済むことからたちまち人気に。そしてこの時にぶっかけそばと区別するため、汁をつけて食べるそば切りのことを、麺をそのまませいろなどに高く盛って出すことから、もりそばと呼ぶようになったのです。
※もりそばの器にせいろを使う理由は、元々、そばにはせいろで蒸すという調理法もあったため、器にせいろを使うようになったようですね。

◆ざるそばの歴史
ざるそば
「ざるそば」の元祖とされるのは、江戸中期に江戸(東京)深川洲崎にあった「伊勢屋」というお蕎麦屋さんで、そばを竹ざるに盛って出されたのが始まりのようです。
この竹ざるに盛って出すスタイルを既存のもりそばと区別するために、ざるそばと呼ぶようになりました。
伊勢屋では竹のざるに盛ったそばを出すだけだったものの、当時の深川の辺りは、江戸のリゾート地だったため、そのブランドイメージもあり、またたく間に人気となりました。下町のそば屋でも、真似する所が増えていき、そば自体はもりそばと質は変わらないのに、高級なそばとして出すようになったのです。
そして明治時代になると、二つを更に差別化するため、ざるそばに変化が訪れます。


ざる汁に同量のみりんを加えて、コクを出した
当時、みりんは贅沢な調味料だったため、みりんを混ぜたざる汁は濃厚で高級なものだったのです。このようなざる汁は御前返しと呼ばれています。
また「ざるそば」のほうが上流のそば粉だとする説もあり、もともとは「ざるそば」の方がダシにしても、かえしにしても、やや高級だったみたいですね。

麺の上に揉み海苔をのせた
単に差別化だけでなく、「夏そば」や「秋そば」など新そばの時期をはずした、風味があまりすぐれない時期の味を海苔の香りで補ったという説もあるようです。

◆「もりそば」&「かけそば」の違いは?
海苔
もともとは、上記に述べたような「器」・「ざる汁」・「そば粉」・「もみ海苔」とで違いはあったものの、近年では別に作るお店は非常に少なくなっており一般には「もり」と「ざる」の違いはもみ海苔の有無だけになってしまっているようです。もちろんお店によっては、今でも器、ざる汁、そして麺の質などでしっかりと区別しているこだわりのお店もあります。

1-2 『かけそば』の歴史

かけそば

かけそばは、せっかちな江戸っ子の荷運び人夫などが「つゆを付けてから食べる蕎麦(そば切り)は面倒」と思い、蕎麦につゆを掛けて食べるようになった事が始まりです。現代の立ち食いそばより以前に、江戸時代には屋台の蕎麦屋があり、大人気でした。
寒い時期には熱いつゆで食べ、寛延4年刊の『蕎麦全書』には新材木町にあった「信濃屋」の「ぶっかけ」が始まりとの記述があります。冷たいつゆを掛けていましたが、寒い時期には熱いつゆを掛けるようになり、寛政からはそれを「かけそば」と呼ぶようになっていきました。従来のつゆにつけて食べる蕎麦は「もりそば」と呼び、区別するようになりました。現代では、冷たいつゆを使用したかけ蕎麦は「ぶっかけそば」と呼んで区別する場合があります。
引用元:wikipedia

2章【種類別】そばの美味しい粋な食べ方

2-1 マナーや「正しい」ではなく、粋な食べ方のわけ

そば2

そばにおいて、そもそもマナーや作法を揶揄する庶民文化である「通」をぶって作法の講釈をすることは逆に野暮とされる。もともと作法にこだわらずに香りや喉越しを楽しめるものであり、音を立てることがマナー上広く許されている点で、うどんや中華麺などと並んで世界的に稀有な料理である。
引用元:wikipedia

とあるようにそばを食べるにあたり、これはマナー違反!などの公式なルールはありません。
ではなぜ、そばに粋という食べ方が生まれたのでしょうか。

江戸がそばの町になるのは、いわゆる江戸っ子が形づくられた時期です。そして文化文政時代(1804~30)になると身なりや振る舞いが洗練されていて、かっこうよいと感じられることの美意識が生まれ、料理文化の爛熟のなかでそばも洗練されていきました。そもそも蕎麦屋は、大人がお酒と共に蕎麦を嗜む粋な場所だったのです。そのなごりが粋な食べ方として今も残っているのです。

2-2 そばの食べ方(ざるそば&もりそば編)

「ざるそば」&「もりそば」には盛り方が「山盛り」と「平盛り」との2種類があります。それぞれ盛り方によってもキレイな食べ方があるので伝授していきます。

◆山盛り
そば 山盛り
名前のとおり、山のように盛られている蕎麦で、頂きから少しずつつまんで食べます。
すると、盛り付けに逆らわずに食べていけるので、そば同士が絡まることなく最後まで盛り付けを崩さずに食べられます。

◆平盛り
そば 平盛り
平盛りの場合は、手前部分から少しずつつまんで食べます。こちらも盛り付けに逆らわずに、食べすすめれば、そば同士が絡まる心配はありません。

【↓ここから共通の食べ方↓】

〘粋〙つゆにつけず、そばだけで食べてみる
まず、箸でそばを2、3本とってそのまま食べてみましょう。
鼻に抜ける蕎麦そのものの風味や食感、のどごしなどを楽しむことができます。

〘粋〙つゆに少しだけ付けて食べてみる
そばつゆにはそばの下1/3など、少量をつけて食べます。もちろん香りを感じる理想的な割合等の意もありますが、全部をドバッとつけて食べると特に関東風のそばつゆは、しょっぱくて味が濃いです。 先を少しつけて食べるくらいでちょうど良いのです。とはいえ、好みやつゆの濃さによっては全部つけたり臨機応変に対応してかまいません。

〘粋〙途中で噛み切らずに一気にすする
つゆにつけた蕎麦は、すぐにのびて千切れてしまうので途中で噛み切らずに一気にすすりましょう!その際につゆの入った器は手に持っても大丈夫です。

2-3 そばの食べ方(かけそば編)

かけそば2
もりそば・ざるそばと違い、お店ごとの特色が濃く出ます。
かけそばの方が薄味なのですが、それでもかけそばのつゆが濃いかどうかは、そのお店次第です。
つゆの味が濃い場合は蕎麦だけで食べ、薄めの場合はつゆも飲みながら食べると丁度良くなります。

〘粋〙つゆと蕎麦の調和を楽しもう!
つゆに蕎麦が浸かって出てくるので蕎麦の香りをしっかり感じる事は出来ない為、つゆと蕎麦の調和を楽しむのが「かけそば」なのです。
また、かけそばにそば湯をだしてくれるお店は多くないですがお店に言うと頂けますので飲みたい人は頼んでみてもOK!

2-4 そばの食べ方(ねぎ・わさび・そば湯編)

薬味に関しては、苦手な方もたくさんいると思います。しかしながら「薬」の字のごとく、若返りの抗酸化作用や様々な効能があるので是非この機会に「粋に」チャレンジしてみては♪

◆ねぎ編
薬味 ねぎ
〘粋〙ネギはそばに乗せ、途中から参加させよう
刻みネギなどの薬味はそばつゆに入れずに、その都度、適量をそばにのせて食べると、より風味を楽しめます。もちろん、つゆに入れてもいいですが、その場合は薬味を入れる前にそばつゆ本来の味も堪能しましょう。

◆わさび編
わさび
〘粋〙わさびはつゆに溶かさず、そばに直接のせて食べてみよう
わさびは元々、つゆの出汁として鰹節などを利用することからその臭みが強い場合に利用するようになったのが、全ての始まりとなっています。つまり、わさびをつゆに溶かしてしまうとわさび風味がつゆ全体に広がってしまい、摂取量が少なくなってしまいもったいないのと、そば本来の旨みを感じにくくなってしまうのです。中には、そばとわさびだけで食べる「通」もいるほど。

◆そば湯編
そば湯
そば湯とは、そばの茹で汁のことです。茹でるときに栄養も茹で汁へ出ていくので、茹で汁にも栄養があります。もちろん飲み方に決まりはありませんが、オススメの飲み方があるのでご紹介します。

〘粋〙そのまま飲んでみる
単に「粋」や「通」にとそば湯をそのまま楽しむだけでなく、そばにはルチンというポリフェノールの一種が含まれており、生活習慣病やシミ・シワの予防効果があります。ただし、そばつゆと混ぜるとルチンを塩分によって分解してしまい、効果が薄くなるので栄養の観点からもそのまま飲むのはオススメなのです。
また、そば湯でそばつゆを割って飲む場合は自分好みの味を作りながら飲むのがオススメです。5対5の割合から自分の好みに近づけていくと、より美味しく楽しめます。

3章 マナーはないけど気になる作法(音・噛む、噛まないなど)は?

公式なルールや蕎麦の食べ方にマナーはないとはいえ、それでもやっぱり蕎麦をすするときの音であったり、細かいところで気になる部分はあると思います。そこで、そんな皆さんの不安を解消するべくいくつかピックアップしてみたので一緒に見ていきましょう。

▼そばを啜るときの「ズズズっ」の音はダメ?うるさい?

結論から言うと、お箸だけで食べる日本蕎麦をすすって出る「ズズズ」の音はまったく問題ありません。むしろ、すすることで口の中に麺と汁が入るので、両方の味を同時にバランス良く感じることができます。さらに、空気を吐くときに蕎麦と汁の香りが鼻を抜けて、より一層美味しく感じるのです。しかしながら、人にはそれぞれの食べ方もあるので音を気にしている人はそれを抑える食べ方をしていますし、必要以上に音を立てる必要はありませんね!

▼蕎麦は噛まないで食べるの?

これに関しては、どうやら「粋」な食べ方の一つとして「蕎麦は基本噛まないで飲み込むもの」という考えがあるようですが、実は本来の食べ方として伝承するはずだった『蕎麦は途中で噛み切らない』というところから派生して、誤った形で捏造されてしまったようなのです。
つまり、噛んで食べて大丈夫です。噛まずにのどに詰まらせたら、それこそ大変です。
正しくは、箸に取った蕎麦は全て食べるというのが蕎麦の一般的な食べ方となっています。

▼蕎麦屋での振る舞い

蕎麦屋
これは至ってシンプル。蕎麦屋では基本的に長居はしないことです。
元々、江戸時代に蕎麦は屋台で出されていたのもあり、厳しい作法というものありませんが、伸びないうちにササっといただくのが礼儀でした。もしかしたらこれだけは唯一のマナーと言えるかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

記事の冒頭でも述べさせていただきましたが、そばの食べ方に「~しなければならない」などの公式マナーはないのですね!
その上で、そばの歴史や、より美味しく食べられる「粋」な食べ方をご紹介しました。

〇そばの食べ方にマナーはなく、好みで食べればよい
〇江戸っ子の身なりや振る舞いが洗練されていて、かっこうよいと感じられるという美意識から生まれたのが「粋」であり、そばをより愉しめる作法であること

この二つさえ理解していただけたら、後は実践あるのみです!
笑顔のあふれる、あなたに合った美味しいそばの食べ方、きっと見つかると思いますよ。